「日本の弓術」

 前回のブログは珍しく日本の話題でしたが、アクセス数は以下の通りでした。Overall, there have been 305726 hits and 1031 hits were recorded today.

 アクセスカウンターを設置したのが2年前ですので、それ以前は判然としませんが。今日は、先日読んだ本の話を。品川大膳が弓矢の名手であったことに関連して、手にした本は、「日本の弓術」オイゲン ヘリゲル著 柴田治三郎訳。

 ドイツ人、ヘリゲルは日本の大学で教鞭をとるために1926年に来日。5年間の滞日中に、弓道を修行。教えるほうも、教わる方も真剣そのもの。両者のとまどいを赤裸々につづりながら、武道を体得するまでの心のひだを誠実に記述。

 読み進むに連れて、行間を染め上げてゆく緊迫感。自らの心持ちや行いを検証していく筆致は、圧倒的。中島敦描くところの「名人伝」さえ思い起こさせる、ヘリゲル描くところの阿波研造範士。このように尊敬される、秀でた人物がかつてはいたのだと、しみじみ。

●読後しばらくして、弓道速習教室に通いました。ほんの数カ月ですが、本書への理解が深まったことを実感しました。